2013年度 基礎情報数学 I114

シラバス

目的

情報系数学で一連の基礎となる連続系数学の知識・計算技術の修得と再構築を目的とする．

内容

解析学・線形代数の基礎を修得する．講義の前半部分では，主に一変数の微分・積分を扱い，後半部分では線形代数を扱った後，微分積分の発展的話題（多変数の微分積分，常微分方程式）を扱う．

教科書

各講義において資料を配付する．

参考書

1. 「微分積分学入門」，岡安隆照, 高橋豊文, 吉野崇, 武元英夫著，裳華房
2. 「キーポイント線形代数」，薩摩順吉，四ツ谷晶二著，岩波書店
3. 「線形代数入門」，齋藤正彦著，東京大学出版会
4. 「解析入門I」，杉浦光夫著，東京大学出版会
5. 「複素解析学の基礎・基本」，樋口禎一，渡邉公夫著，牧野書店

講義計画

1. 序論（数，集合，写像）
2. 収束と連続性（点列収束，連続性の定義）
3. 微分法I（微分の定義，平均値の定理，初等関数の微分）
4. 微分法II（級数，テイラー展開）
5. 微分法III（複素変数関数の微分法，オイラーの公式，自然対数の底）
6. 積分法I（定積分の定義，面積と定積分）
7. 積分法II（初等関数の定積分，広義積分，項別積分）
8. 中間試験と解説
9. 行列とベクトルI (連立一次方程式，行列，ベクトル空間)
10. 行列とベクトルII （行列式，逆行列）
11. 直交空間 I （ユニタリ行列，エルミート行列，直交行列）
12. 直交空間 II (固有値，対角化)
13. 微分法 IV (常微分方程式)
14. 積分法III (偏微分，ベクトル値関数の微分, 重積分，変数変換)
15. 期末試験と解説

成績評価の方法

レポートと中間・期末試験の結果による．

講義時間・教室

火曜2時限，金曜日1時限・情報科学研究科，大講義室

オフィスアワー

金曜日3時限・情報科学研究科，大講義室

授業の予定・記録・連絡

スライド・演習問題には授業中に連絡した user 名・パスワードで閲覧できます．Web 講義の方は，第三回目授業録画の冒頭を見てチェックしてください．

2013/06/04 (火)

• 期末試験を予定．
• !期末試験に際してのアドバイス!：
  • 定義を手を動かして頭のなかに入れておく（rank・行列式・正則・余因子・余因子行列・線形独立・基底・線形写像・標準内積・ノルム
  • 直交変換・固有値・固有ベクトル・固有方程式・広義積分・ヤコビアン・極座標変換など）
  • rank と解の数の関係は？
  • 行列式や逆行列の計算の仕方（余因子行列・掃き出し法の両方で逆行列を求めることができるようにしておく，余因子行列を使う場合は転置に注意．4次正方行列の行列式を求めるのにサラスの公式は使ってはならない！）
  • グラム・シュミットの直交化や行列の対角化の手続きができるようになっておく．
  • 授業でやったような簡単な微分方程式を解けるようにしておく．
  • 演習問題・授業でやった例題・練習問題を手を動かして見直す．

2013/05/31 (金)

• 講義スライド（積分法 III）
• 演習問題（積分法 III）: 問題4の領域について訂正 （2013/06/03）．
• OHで第三回目のレポートを返却しました．

2013/05/28 (火)

• 講義スライド（微分法 IV）: 練習問題3の誤植は訂正済．
• 演習問題（微分法 IV） (2013/05/28)
• 第四回目のレポートを提出しました．提出期限は一週間後です．

2013/05/24 (金)

• 講義スライド（直交空間 II）
• 演習問題（直交空間 II） (2013/05/28)
• 授業で線形変換を説明するために使ったソフトは「マフィン君」です。Vector からもダウンロートできます (マフィン君 at Vector)．
• また固有値・固有ベクトルを説明するために参考にしたのは，青空学園数学科の記事 「一次変換を見る」 です．

2013/05/21 (火)

• 講義スライド（直交空間 I）: 誤植訂正済
• 演習問題（直交空間 I） (2013/05/26)
• 本日，第三回目のレポートを提出いたしました．締切は一週間後です．

2013/05/17 (金)

• 講義スライド（行列とベクトルII）
• 演習問題（行列とベクトルII） (2013/05/21)
• OH では中間試験の答案返却と解説を行いました（平均点は 69.73点，最高点は100点）．OHに参加できず， まだ受け取っていない人は次回に受け取って下さい．
• 行基本変形(ある行を別の行に定数倍して加える)が行列式の値を変えないことについて次回の冒頭にコメントします．
• OH で解説した講義スライドの練習問題6(2) について板書に書き違えがあったので(Web講義の2013/05/17, 13:30 のOH開始の約55分後)、補足プリントを作りました．

2013/05/14 (火)

• 講義スライド（行列とベクトルI）
• 演習問題（行列とベクトルI） (2013/05/21)
• 第二回目のレポートを返却しました．

2013/05/10 (金)

• 中間試験を予定．
• OH はありません．
• !中間試験に際してのアドバイス（2013/05/09 掲載）!：
  • 微分・積分の公式は覚えておく，あるいは，導出できるようにしておく（sin, cos, log などの微分・積分，合成関数・逆関数の微分，置換積分・部分積分・部分分数展開）．
  • 学んだ概念の定義を頭のなかに入れておく（外延的・内包的表記，単射，全射，全単射，数列の収束，連続（左連続・右連続），微分可能，無限級数，テイラー展開，極形式（極座標表示），偏微分など）．
  • 対数・指数の性質，OH で学んだ三角比・複素数の性質，オイラーの公式とド・モアブルの公式を使えるようにしておく．
  • 図形に囲まれた面積・図形を回転した立体の体積・累次積分の計算の仕方を確認しておく．
  • 授業中に扱った定理の証明や演習問題中の証明問題について見なおす．
  • 授業でやった例題を見直す，演習問題をしっかり解いておく．

2013/05/07 (火)

• 講義スライド（積分法II）
• 演習問題（積分法II）

2013/04/30 (火)

• 講義スライド（微分法III）: 偏微分の箇所の誤植は訂正済．
• 演習問題（微分法III）：極形式の練習問題に誤植があったので訂正. (2013/05/09)
• 二変数実数値関数を実感したい人は，Wolfram alpha や Google の検索窓に

  x^2 + x*y - y^2

  などを copy and paste して入力してみよう．
• 第一回目のレポートを返却しました．
• 第二回目のレポートを出しました．締切は一週間後の2013/05/07 (火)です．欠席していた人は，私か秦野君に連絡をとってレポートを受け取りに来るように．

2013/04/26 (金)

• 講義スライド（積分法I）
• 演習問題（積分法I）: 問題のヒントが不適切だったので訂正しました．(2013/05/09)
• 講義で残った積分の残りの練習問題については2013/04//26 (金)のOHで扱います．

2013/04/23 (火)

• 講義スライド（微分法II）: 紙のハンドアウトには入っていなかったe を底にする指数関数と sin x のテイラー展開による近似の図も入っています．各点収束の箇所の誤植は訂正済．
• 演習問題（微分法II）: 問題1の添字について訂正しました(2013/04/26)．問題8の表記「第三項まで」を変更．(2013/04/30)
• e を底とする指数関数のテイラー展開による近似を実感したい人は，Wolfram alpha や Google の検索窓に

  exp(x), 1+x+(1/2!)x^2,  1+x+(1/2!)x^2 + (1/3!)x^3, 1+x+(1/2!)x^2 + (1/3!)x^3 + (1/4!)x^4

  を copy and paste して入力してみよう．
• 講義スライド中の図は gnuplot で作成しました．
• 「関数列がある関数に『近づく』とはどういうことか」については2013/04/26 (金)のOHで簡単に説明します．

2013/04/19 (金)

• 講義スライド（微分法I）
• 演習問題（微分法I）
• 第一回目のレポートが出ました．締切は一週間後の2013/04/26 (金)です．注意：答えのみではなく計算・証明プロセスも明示しておくこと (2013/04/23)

2013/04/16 (火)

• 講義スライド（収束と連続性）
• 演習問題（収束と連続性）
• 積分の演習時間を長くとるために，講義予定の微分III, 積分Iの順番を入れ替えて講義をすることにしました．
• 授業でスキップした級数の箇所は，微分IIでテイラー展開と一緒にやります．

2013/04/12 (金)

• 講義スライド（序論）
• 演習問題（序論）：訂正あり (2013/4/19)
• 授業で残った実数の箇所については 2013/04/16 (金)に解説をしました．(2013/4/16)

Katsuhiko SANO

Last Revised: 2013/06/03.